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購入前に知っておきたい!農業ドローンの維持費が丸わかり!

農業ドローンを使用して肥料散布や農薬散布を行うには、機体以外にも必要となるものがあります。
どのようなものを用意し、その費用はどの程度かかるのか、本コラムではそういった疑問点について解説いたします。

ドローンの運搬


まず、農業ドローンを圃場まで運搬する車が必要となります。多くの方は、軽トラックを使用しています。発電機、充電器、水タンクを効率よく荷台に搭載できるようラックを自作して設置している方や雨や直射日光を防ぐために荷台に幌を被せている方もいます。軽トラック以外での運搬も可能ですが、圃場間の移動が多く、積み下ろしが頻繁に発生する場合、発電機でバッテリーを充電し続けたい場合などが多く、機体やその他の装備も汚れるため軽トラックが最も効率的であると考えられます。

散布作業に必要な機材一覧

散布飛行を行うために必要な機材一覧の例は下記です。(1日10ha水稲防除を想定)

購入前に知っておきたい!農業ドローンの維持費が丸わかり!


なお、当日までに、スマホやタブレット、PCなどで、FISSへの登録を済ませておきます。
水は、散布薬液の作成分だけでなく、エア抜き作業と洗浄作業のため、散布面積分以上に必要です。
そのため、大きめもしくは多めの水タンクの用意が必要です。
また水稲防除で使用する場合、炎天下の作業となるので、熱中症対策グッズも必須といえるでしょう。

機体の維持費について

維持費を大きく分けると、➀定期点検費用、➁保険料、➂法規制に関わる費用、

➀定期点検費用
DJI社のAGRASシリーズは、メーカーのサポートを受けるためには、1年に1度、整備所における定期点検を必須としています。
費用は整備所によって異なりますので、購入前に確認しておくと良いでしょう。
その他のメーカーにおいても同様の制度がある場合と設けていないメーカーとがございます。

➁保険料
賠償保険や機体保険に加入している場合、その保険料が維持費として発生するでしょう。

➂法規制に関わる費用
2022年6月20日にスタートした無人航空機の機体登録制度によって、100g以上のすべてのドローンにおいて、国土交通省の発行する登録記号の掲示が必須となりました。登録記号の発行は、購入時と3年に1度の更新時に必要となります。申請手数料は、890円~2,400円程度(申請方法によって異なります。)

維持費の節約方法

さて、ここまで農業ドローンを使用するための必要経費について解説してきましたが、その経費を余計に掛けない節約の方法に関して解説いたします。
まず、農業ドローンの寿命を延ばし、交換部品や無駄な修理を発生させないためにも、機体を丁寧に取り扱いましょう。
機体に損傷が出やすいタイミングとして、➀運搬時、➁作業中、➂保管時の3つのタイミングが考えられます。

➀運搬時
車で運搬中、急ブレーキを踏み、他の荷物の下敷きになってしまった。
 → アームの損傷。修理・交換費用の発生
積み込みの際、2人で持ち上げようとしたが、息が合わず落としてしまった…。
→ ランディングギアが折れてしまい、修理・交換費用の発生。

➁作業中
飛行中、立木の枝にプロペラが接触。墜落はしなかった。
 → プロペラの欠け。修理・交換費用の発生
着陸時、傾斜した地面に着陸を試みたが、モーター停止前にドローンが転んでしまった。
 → アームの折れ、プロペラの欠け。修理・交換費用の発生

➂保管時
冬季保管中、タンクおよびチューブ内に残った水が凍結していた。
 → 液剤散布装置の故障、水漏れ。修理・交換費用の発生
冬季保管中、適切にバッテリーを保管していなかった。
 → 次回使用時に、セルバランスの異常に気付く。修理・交換費用の発生

農業ドローンは農業機械とはいえ、精密機器でもあります。散布作業を行うごとに必ずしっかり洗浄を行い
適切に保管しましょう。バッテリーの寿命も管理方法次第で大きく変わります。

維持費が思ったより高いかも?と思った方

さて、ここまで農業ドローンの維持費についての解説を読み、「思ったより高い…」と思った方はいらっしゃいませんでしょうか?
ここで簡単に農業ドローン導入の費用対効果について考えてみます。(農業ドローンの購入費用一式を200万円と仮定)

ケース➀ 水稲栽培を毎年7ha行っている場合
散布料金1反(10a)あたり2,000円の散布業者に作業を委託した場合、1回14万円の散布料金が掛かるとします。散布を行うのは、除草剤1回、追肥1回、防除1回の計3回で従って、年間42万円。農業ドローンの耐用年数は一般的に7年といわれていますので、7年で、294万円です。これを自身で行った場合、機体一式200万円と年間10万円の維持費が掛かったとして、270万円となります。この場合、その他のメリットとも合わせ、自身で農業ドローンを購入することがお得であることがわかります。

ケース➁ 近隣でさつまいも栽培を行う者3名で1台をシェアした場合
同じく、200万円で購入し、年間10万円の維持費が掛かると考えた場合、7年で270万円。その270万円を7年間かつ、3名でシェアした場合
270÷7÷3=年間約13万円。3.5haのかんしょ畑を運営し、年に2回散布を委託した場合、2,000×35×2=14万円ですので、
3名ともこの面積、この回数であれば購入したほうが良いことがわかります。

また、上記のケース➀、➁のどちらとも、その他の圃場の散布を請け負った場合、その費用対効果はより増すことが、容易に考えられます。
ぜひ、ご自身で実際の使用を想定して費用対効果を計算していただくと、購入すべき農業ドローンも選びやすくなるでしょう。

さいごに


維持費の節約方法として、丁寧に操縦し、こまめに掃除をすることで、故障を発生させないよう心掛けるのが大切でしょう。また、そういった相談に丁寧に答えてもらえる販売店を選ぶのが良いでしょう。農業ドローンを購入して自身の圃場で散布を行っていると、近隣の圃場の方から、「ウチのもやってよ!」と頼まれるという話も耳にします。農林水産省は、高齢化の進む日本の農業現場では、スマート農業を駆使して、地元農業を支える担い手や農業を支援する民間企業、農業支援サービス事業者への支援を行っています。そうした方々が使用できる補助金も増えておりますので、補助金のコラムもご欄頂けると幸いです。

 

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